会社設立エッセイA
VOL07 電子定款の作成方法とオンラインシステムでの申請手続き
VOL04 オフィス
▼会社設立当初は、初期の設備費など出費がかさみます。継続的に売上げが上げる目処がつくまでは、できるだけ体力(資金)を温存したいところです。
体力温存にいちばん効果的なのは、固定費を抑えることです。そこで、オフィスが問題になります。
▼自宅で開業
自宅で開業することが可能な業種・業態もあります。自宅をオフィスにすれば、固定費だけでなく、通勤時間も削減できます。
一人何役もこなさなければならない起業家にとって、時間はたいへんに重要です。たとえ1時間であっても、通勤時間にかかる時間を仕事に当てられるのは大きなメリットです。
その
一方で、自宅ではプライベートと仕事の切り替えが難しく、かえって仕事の効率を落とすという見方もあります。
きっちりとした時間管理ができるかどうかがポイントでしょう。
▼居抜き物件
実店舗を持つ場合は、自宅を店舗にするのは難しいでしょう。
居抜き物件というものがあります。前の店舗の設備ごと貸しに出されている物件です。
居抜き物件であれば、設備にかかるコストも最小限に抑えて開業することができます。居抜き物件を専門に仲介している事業者も多くあります。
ただし、居抜き物件の多くは、そこでやっていた商売が上手くいかなかったという物件です。立地が悪かったのか、競合店が近くにあったためか、それとも商品やサービスなどその店固有の問題だったのか。その原因をよく分析しないと、同じ轍を踏みかねません。
コスト面ではメリットの大きい居抜き物件ですが、マーケティング面では難易度が高いといえます。
▼レンタルオフィス
最近では、起業家向けのレンタルオフィスも多くなっています。
机ひとつ分のスペースから借りられ、会議室を備えていたり、受付、電話対応をしてくれたりするところもあり、非常に便利です。対外的なイメージを上げられるのも大きな魅力です。
また、起業家向けにオフィススペースを賃貸する「インキュベーション施設」というのも増えてきています。インキュベーションというのは、孵化という意味です。まさに起業家を孵化し育てるということを目的にしています。公益法人など運営するインキュベーション施設を利用すれば、比較的安くオフィスを持つことができます。
VOL05 資本金とは
▼会社法が施行されて、最低資本金制度が撤廃されました。一般には起業しやすくなったと受け止められています。
一方で、以前であれば「株式会社=資本金1,000万円以上=ある程度しっかりした会社」という了解事項があったのに、その前提が崩れてしまったため、商取引の現場では取引相手の与信が問題になっています。
取引相手の与信の第一歩として、登記事項証明書を入手する会社も多いと思いますが、そこには当然に資本金額が掲載されています。したがって、対外的な印象を考えれば、ある程度の資本金は準備したいところです。
▼資本金とは
資本金とは、株主が出資した会社の基本財産であり、会社の規模をはかるひとつの目安にされます。
資本金は銀行などにずっと置いておかなければならないお金ではなく、設備を買ったり、家賃を払ったり、材料を仕入れたり、商品を作ったり、従業員に賃金を払ったりと、会社活動に普通に使えるお金です。ただし、どう使うかで、会社としての資産は変わってきます。
たとえば、
資本金で相応の価値ある商材を仕入れれば、資本金は減るものの、帳簿上の会社の資産は保たれます。理屈の上では、商材を売ればお金はいつでも回収できる状態にあるからです。
一方で、オフィスの家賃や従業員の賃金などの経費として使った分は、流出したまま返ってきません。したがって会社資産は目減りしていきます。
したがって、経費を商売の粗利益でまかなうようにしていかないと、いずれ資本金は底を尽き、借り入れをしなければ会社活動はストップしていまうことになります。
▼資本金はいくらあれば適当なのかは、事業内容などによってケース・バイ・ケースです。
建設業や製造業など、初期の設備費がかかる業種の場合、1,000万円の資本金でも不十分な場合もあります。
一方で、情報サービス業の中には、パソコンがあれば、他にこれといった経費なしで運営できる事業もあるでしょう。
いずれにしても、起業した後、売上が確保できて事業が軌道に乗るまでの間に必要な運転資金などを想定し、資本金を準備するのが適当だと思われます。また、資本金は会社の規模をはかるひとつの目安という側面もありますので、対外的な取引で信用が得られるかどうかという点についても検討すべきです。
▼資本金と税務の扱い
資本金は会社規模の目安ですから、その大小で税法上の扱いも変わってきます。資本金に関係する主な税目と課税内容を見てみます。
◇消費税
資本金1,000万円以上の会社は、設立後、最初の事業年度から消費税の申告納税義務が課されます。資本金1,000万円未満であれば、第1期と第2期は消費税が免除されます。
◇住民税の均等割り
従業者が50人以下の場合、資本金が1,000万円超であれば、税額は年に18万円ですが、資本金が1,000万円以下であれば、年額7万円です。
◇法人税
資本金1億円超の会社は、税率が一律30%です。
資本金1億円以下の法人は、所得が800万円までであれば22%、800万円を超えると30%の税率が課されます。
◇交際費
資本金1億円超の会社は、交際費を損金に算入できません。資本金1億円以下の会社であれば、年間400万円までの交際費の90%を損金に算入できます。
▼いきなり1億円の資本金で起業するというケースは稀なので、問題になるのは、消費税と住民税の均等割りでしょうか。
資本金1,000万円の会社をつくるのであっても、まず資本金990万円程度で会社を設立し、免税の恩恵を受けたのちに1,000万円に増資するというのも方法です。
VOL06 金融機関
▼金融機関を選ぶ
定款の認証の後、金融機関に出資金の払込みをします。この時点で金融機関の検討がはじまります。
金融機関といっても、銀行、信託銀行、相互銀行、信用金庫、信用協同組合などさまざまです。全国規模で事業展開するような会社であれば、お客さんや取引先の振込手数料のことを考えて、支店数が多い大手銀行に口座をつくっておきたいところです。
一方で、地銀や信用金庫などは、地域の産業振興に力を入れているところも少なくありません。地域に根ざした事業を展開していこうと考えているのであれば、地元の金融機関には、是非声をかけておきたいところです。
▼普通預金口座と当座預金口座
個人の預金口座でおなじみの普通預金口座のほかに、法人の口座でよく見かけるのが、当座預金口座です。
会社設立直後に金融機関に法人口座を開設する場合、通常は普通預金口座になります。
会社の登記簿謄本、代表者の身分証明書、銀行印があれば、基本的にはどこの金融機関でも開設できます。
法人の普通預金口座は、利息が付く、自動引落としができる、通帳が付くなど、個人が持っている銀行口座の会社版といったところです。
一方で、当座預金口座は、手形・小切手を振り出すことができる、会社の金庫のようなものです。当座貸越の契約を結ぶことで、限度額までの自動融資も受けられます。ただし、当座預金口座は、起業したばかりの実績のない企業では、開設は難しいでしょう。まずは普通預金や定期預金で実績を積み、その後に当座預金口座の開設ということになります。

